急速に増える認知症

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最近のことですが、ごく親しい人が認知症にかかりました。7,8年前から徐々に症状は表れましたが、去年の秋頃から、私の事もわからなくなり、去年の暮れから入院していましたが、先月亡くなりました。穏やかな顔で召されたのが何よりの救いでした。原因ははっきりしないけれど老衰ではないでしょうか。他人事と思っていた認知症が親しい人に起こると他人事ではなくなるということは、はなはだ身勝手な事だとおもうけれど、実感としてそう感じました。

20002年の調査で認知症の高齢者は全国で149万人でしたが、2015年には250万人になるだろうと予測されています。なんと日本の人口比からいえば100人に2人の割合です。正しく高齢化問題の一つではないでしょうか。
認知症の兆候としては、朝から何回も「今日は何日?」と聞いたり、会社を退職したのに、服を着替えて会社に「行ってきます。」と朝出かけようとしたり、モノの名前が思い出せなくて、「あれ、これ、それ」という言葉がつい出てきたりする、等々があげられますがこれらは初期の段階だそうです。最初に忘れるのが、昨日、一昨日あたりのこと、いわゆる短期記憶というものです。次に今聞いたこと、即時記憶を忘れるようになります。かなり長くたってから、長期記憶も忘れていきます。最後が生まれた時の事、生年月日を忘れます。性格が穏やかで怒ったことのない方が怒り出したりすることもあります。
一番よく起こるのが「通帳を盗られた」ということ。自分で通帳を隠して、そのことを忘れてしまうためです。

また、認知症になるとテレビで連続ドラマを見るのが面倒くさくなります。ストーリーを覚えていられなくなるからです。スポーツ番組など一発勝負の番組を好むようになります。またフラッと外へあてもなく徘徊することもあります。住所を聞かれると、今、住んでいる所ではなく生まれ育った家の住所を言ってしまったりすることがあるそうです。ですから、上着のポケットに住所を書いた紙を入れておくというのも一つの有効な方法です。
そんな症状が出たらどう対処すればよいのでしょう。それは、その人の言ったことを頭から否定せずにいったん受け入れてから何回もまじめに答えることなのだそうです。退職して会社へ行くと言い出しても「あら、あなた昨日、明日は会社が休みだとおっしゃっていたじゃないの、ゆっくりすれば」と言えば、「ああ、そうだったな」と気軽に引っ込んでくれるようです。また、○○○が無くなった。ということに対しても「そう、それなら一緒に探しましょう」と言ってあげてそうするのです。探すと見つかるのですが、すぐそのことを言ってはいけません。元の引き出しに戻すなどして、自分で見つけられるようにしてあげるのです。そして、「自分で見つけられて良かったね」とほめることが大切だそうです。

脳の神経細胞は140億個あって20~30才になると細胞が全て成熟します。しかし40才を過ぎると少しずつ死んでゆく細胞がでてきて、80才で8割が残っている状態になるのだそうです。従って10できたことが8になるのは正常なことなのです。しかし、頭を上手に使っていると脳の縮み方が穏やかになるようです。脳への快適刺激を与えることです。ゴルフをしかり、絵を描くことしかり、楽器を演奏することしかりです。そして人との交流があることが大事です。

それと財産管理のことですが、認知症と認定された人の遺言は無効になりますので気をつけて下さい。それから、認知症の方の世話をなさった。という方には特別寄与分ということがありますので、そのことを主張されたらいいと思います。本来は、協議でやるのですが、駄目なら家庭裁判所を活用されればいいと思います。

いずれにしろ認知症も早期発見と知療が一番大切です。殊に認知症ではない、紛らわしい病患で放っておきますと認知症になることもありますのでしっかり診断を受けることです。重くなっても出来る限りデイサービス等を利用して家族がお世話することが一番いいのですが、いよいよ限界がきたら、悪いことだと思わないで施設に入れるような形のサービスも使ったらいいのではないでしょうか。

(医学博士  大國 美智子氏談より)